ドール&フィギュアの写真 8 ストロボは使わない
前回まではドール&フィギュアの撮影に向く機材の話でしたが、ここからは少しずつ実際の撮影についてもお話ししたいと思います。まず最初はストロボの話です。
ほとんどすべてのカメラに当たり前のようにストロボはついているけど、「暗いところを明るく写すためにはストロボを使う」みたい発想は自分は持っていません。
これは Canon の G7X というコンパクトなカメラで撮影したものです。やや暗めの室内で付属のストロボで撮影しました。問題は多数あります。
画像の中央は明るさは良いのですが、四隅は暗く写ってしまっている。これは接近して撮影しているので、ストロボから遠いところでは光が足りなくなっているということです。また膝のあたりは逆に近すぎて光ってしまっている(白トビ) 更には人形の背後に不自然な強い影が出ている。これは構えたカメラのレンズからやや左側にストロボがついているためで、これも近づいて撮影すると目立ってしまう。
これを少しでも良くしようとした結果がこれ。影が目立つ内側でなく外側に出るように、カメラを180°ひっくりかえして構えなおし、なおかつティッシュペーパーを1枚にはがしてストロボにかぶせてみた(ディフューザーのかわり)
白トビは軽減され明暗の差も若干改善された。でも強い影は幾分薄れたけど、まだまだ残っている。これはストロボが点光源であり、かつレンズから離れているために生じる現象だからです。
それでもストロボというのであれば、大型のストロボにちゃんとしたディフューザーをつけるか、バウンスといっていったん天井や壁に光を反射させて全体を明るくするストロボを用意する、または本体のストロボに連動して光る外部ストロボを使う・・・といった方法が考えられるけど、それじゃぜんぜんお気軽でない。
自分の場合、暗いからと言ってストロボを使うことはほとんどないです。そもそもメインで使っている Panasonic の GX8 にはストロボがついていないけど、それで困ったことはないです。
使用しているのは乾電池式の撮影用LEDです。おそらく Amazon あたりで探せば600円ぐらいからあるんじゃないかな。スマホでも使えるリング状のものもありますが、これもまた便利です。
あらためてこのLEDで撮影しました。点光源でなく面で光を照射しているので、強い影ができにくく白トビや四隅の暗さも気になりません。そして何より嬉しいのはストロボと違って見た目の通りに写ること、ストロボだと実際に光らせて画像を確認するまでは結果が分からない。
でもこのライティングはあまりよくないです。正面からの光なのでコントラストがなく、お人形の顔が平坦に見えてしまっている。
そこでお人形を少し斜めに立たせてポーズをとり、LEDの位置も変えてみた。室内照明とLEDでここまで写ります。最初の画像とは全然違うでしょ?
あと、ある程度明るい条件でも自分はLEDを使います。その最大の理由は瞳がキャッチライトして輝くからです。これでいちだんとお人形が可愛く見えます。ちゃんとしたアイの入ったお人形をお持ちなら、ぜひ試してみて下さい。
以前の「RAWで撮影して明るさを調整する」については、その内容を整理して、メインサイト瞳に四角い鰯雲の方にも準備が整い次第、記事をUPしておきます。
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